TOP 注目の一冊

注目の一冊

科学立国のための大学教育改革:エビデンスに基づく科学教育の実践

カール・ワイマン 著、大森不二雄・杉本和弘・渡邉由美子 監訳(玉川大学出版部、2021年刊)



 ノーベル物理学賞受賞者である著者が主導して、コロラド大学(2005 年~)とブリティッシュコロンビア大学(2007 年~)で実施された、科学教育イニシアティブ(SEI)の概要をまとめた書籍の邦訳。SEI とは学科を単位とした科学教育の組織的な改善活動である。分野別教育方法研究(DBER)によるエビデンスにもとづいた教授法は、学生の学修成果を画期的に向上させた。本書の記述は、申請のあった学科に SEI 予算を配分し、学科長や授業担当教員に新しい教授法の採用を働きかけて、教育の変革を実現して定着させるまでをまとめている。うまくいかなかった事例とその理由も詳細に述べられている。科学技術分野に限らず、大学で教育改革等に取り組むさいに参照するべき書籍
ISBN978–4–4724−0598−3



【解説】

本セレクションは、各出版社から推薦されたものを年度末に選定委員会が審査して決定しています。著者ないしは編集者・出版組織が会員であることが条件。本年度分として選定された8件について、応募順に本欄で紹介しています。