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学会概要

趣旨と目的

大学教育学会の特質

 本学会は、1979年12月「一般教育学会」として発足した大学教育に関するパイオニア的学会です。1991年の大学設置基準(文部省令)の改正により科目名としての「一般教育」が廃止されたことを受け、1997年6月「大学教育学会」に名称を変更しましたが、発足以来一貫して大学教育の大衆化に伴う「大学教育研究」の開拓を志向し、かつ広範な大学教員が参加する「大学教員としての自己研究」活動(FD型研究活動)に主眼をおいて活動をしています。知識基盤社会が進展し、大学教育の果たす役割の重要性が再認識されるなかで、大学教育の改革に関して、いわゆる現代化を推し進めるとともに、本来的な人間形成機能の再生をめざしています。


わが国大学教育百年の視野

 本学会は、国の政策・制度を超え、法令に依存せず、また大学管理機関の立場にも拘束されることのない学問的観点に立って、「大学教育研究」の研究活動を着実に展開してまいりました。これまで、学会が設定してきた「FD(ファカルティ・ディベロップメント:教授団の能力開発)」、「大学の自己評価」、「学士課程教育」などの「課題研究」は、学会の研究活動の中軸となり、旗印にもなってきました。


 大学設置基準等改正後のめざましい大学教育改革の進展に関しては、積極的推進の基本姿勢とともに批判的視野をもち、常に検証を続けています。これらの成果は、『大学教育研究の課題-改革動向への批判と提言-』(一般教育学会編、1997年、玉川大学出版部刊)、『あたらしい教養教育をめざしてー大学教育学会25年の歩みー未来への提言ー』(大学教育学会編、2004年、東信堂)、『大学教育研究と改革の30年―大学教育学会の視点から―』(大学教育学会編、2010年、東信堂)などにまとめられ公表をしてきました。


 今日の大学教育の研究・改革をめぐる情勢のなかで、本学会は研究対象を「大学教育 -LlBERAL AND GENERAL EDUCATlONの歴史と理念に基づくもの-」としています。このことは、いわゆる専門教育、教養教育の区別を超え、大学教育の総体を、より人文的な人間主体の、自己改革を含む研究対象としてとらえ、「FD」、「学生の自己教育」等々、研究開発の可能性豊かな学問領域として「大学教育研究」の開拓・創成を進めることを意味しています。


 本学会は、大学審議会や中央教育審議会で指摘されてきた「一般教育・教養教育の理念・目標」や「各大学の自由で多様な発展」が大学自体の研究・改革の成果として実現するよう、わが国大学教育百年の視野における展望を切り開いていくことを願い、これからもパイオニア的役割を果たして行きます。


歴代会長

<一般教育学会>
1979~1991 扇谷 尚(大阪大学・甲南女子大学)
1991~1994 堀地 武(香川大学)
1994~1997 讃岐 和家(金城学院大学)
<大学教育学会>
1997~2000 讃岐和家(和泉短期大学)
2000~2003 絹川 正吉(国際基督教大学)
2003~2006 佐藤 東洋士(桜美林大学)
2006~2009 寺﨑 昌男(立教学院)
2009~2017 小笠原 正明(北海道大学)
2017〜2023 山田 礼子(同志社大学)
2023〜現在 松下 佳代(京都大学)


大学教育学会倫理綱領

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