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注目の一冊

学士課程教育のカリキュラム研究

串本 剛 編(東北大学出版会、2021年刊)



 学士課程教育のカリキュラムについて、専門分野別に必修単位率を規定する要因を大学院進学率、偏差値、ST比を共通独立変数として分析している。日本の大学全体を網羅的に1次資料から統計分析を行った労作であり、今後の学士課程のカリキュラム研究の立脚点となる貴重な研究である。分野別に該当するすべての大学を網羅し、丹念に調べ上げられた客観的なデータにより裏付けられた分析結果からカリキュラム形成の法則を導出しようとしている。

 分野毎の章に続いて、科目区分上の「専門科目」の分析、入試難易度別分析、必修単位率分析のまとめの章が置かれており、個別分野のカリキュラムに関心のある読者にも、学士課程カリキュラム全体に関心のある読者にも受け入れられる構成となっている。巻末に先行研究リストがついていることも研究者にとってはメリットである。
ISBN978–4–86163−366−9



【解説】

本セレクションは、各出版社から推薦されたものを年度末に選定委員会が審査して決定しています。著者ないしは編集者・出版組織が会員であることが条件。本年度分として選定された8件について、応募順に本欄で紹介しています。