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大学教授に求められる知的な役割について再考している。社会における大学の役割は、ICT技術の進展と普及によって低下しており、大学は知的事業体として「創造性と批評能力を高めることに力を注ぎ直す必要がある」と著者は指摘する。そして、現代の大学教授が学内運営や大学評価業務、競争的資金の獲得などに労力が割かれ、知のリーダーとしての役割が弱体化していることを論じている。著者はそれに対して、大学教授は、学問の自由という特権を確保しつつ、果たすべき責務のバランスを取ることで、知のリーダーであるべし、と説く。そのリーダーシップの類型として「知識生産者」、「市民性ある学者」、「知の越境者」、「公共の知識人」の4つを示し、大学教授が現代的役割を果たすことを提案している。
【ISBN978–4–4724−0596−9】
【解説】
本セレクションは、各出版社から推薦されたものを年度末に選定委員会が審査して決定しています。著者ないしは編集者・出版組織が会員であることが条件。本年度分として選定された8件について、応募順に本欄で紹介しています。