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注目の一冊

ROBOT-PROOF──AI時代の大学教育

ジョセフ・E・アウン著 杉森公一、西山宣昭、中野正俊、河内真美、井上咲希、渡辺達雄共訳(森北出版、2020年1月刊)



ロボット・プルーフとはロボットに仕事を奪われない「耐ロボット性」をさす。そのような卒業生を輩出する、人工知能時代の高等教育の在り方のひとつは、人間に特有な創造性と柔軟性の育成であり、経験学習が効果的である。筆者が学長をつとめるノースイースタン大学のコーオプ教育(教室での学習と長期の職場経験を交互に行って統合する)が紹介されている。もうひとつは生涯学習の継続であり、生涯学習需要の増大と多様化に対応する国内外の大学間連携が、高等教育の進化における次の段階であるとする。産業や科学技術の発展などの歴史的変遷を丁寧に整理しつつ、現在の社会的状況を鋭く考察して、人工知能時代に求められる大学教育の在り方について具体的に言及している。コロナ禍における大学教育の在り方の議論に対しても有効な知見を提供している。(審査員評から一部抜粋
ISBN0978-4-627-97521-7



【解説】

本セレクションは、各出版社から推薦されたものを年度末に選定委員会が審査して決定しています。著者ないしは編集者・出版組織が会員であることが条件。本年度分として選定された4件について、応募順に本欄で紹介しています。