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JACUEセレクション選定図書(最新の選定図書)

JACUEセレクション2021(2020年度認定図書)

①ジョセフ・E・アウン著、杉森公一、西山宣昭、中野正俊、河内真美、井上咲希、渡辺達雄共訳(2020)『ROBOT-PROOF:AI時代の大学教育』森北出版

◇選定理由(抜粋

表題のロボット・プルーフとはロボットに仕事を奪われない「耐ロボット性」をさす筆者の造語で、
そのような卒業生を輩出する、人工知能時代の高等教育の在り方が2つの側面から論じられる。その
ひとつは人間に特有な創造性と柔軟性の育成であり、経験学習が効果的であるとして、ノースイース
タン大学のコーオプ教育(教室での学習と長期の職場経験を交互に行って統合する)が紹介される。
もうひとつは生涯学習の継続であり、生涯学習需要の増大と多様化に対応する国内外の大学間連携が、
高等教育の進化における次の段階であるとする。
本書の特徴は、産業や科学技術の発展などの歴史的変遷を丁寧に整理しつつ、現在の社会的状況を鋭
く考察して、人工知能時代に求められる大学教育の在り方について具体的に言及するところにある。
一般論にとどまらない実践的に有益な知見が盛り込まれていて、視野が広く説得力の高いものとなっ
ている。コロナ禍における大学教育の在り方の議論に対しても有効な知見を提供している。


②大西好宣著(2020)『海外留学支援論:グローバル人材育成のために』東信堂

◇選定理由(抜粋

海外留学を支援する立場(大学教職員など)にとって必要な留学生政策に関
する現状や経緯、留学と関係の深い「グローバル人材」に関する多面的な考察、短期留学及びそ
の効果測定の方法に関する批判的考察、アジア留学の意義などについて、多くの文献やデータに
基づきながらコンパクトにまとめられている。また、著書の明快な表現によりとても読みやすく、
その意味で、大学教育の「現場」に一定の貢献をなし得る実践的価値を有している。特に、留学
生理念モデルについては著者独自の修正が提案されている。また、終章では留学支援専門職育成
のためのケースメソッドの事例が紹介されており、実践的にも役に立つものと思われる。


③細尾萌子、 夏目達也、 大場淳編著(2020)『フランスのバカロレアにみる論述型大学入試に向けた思考力・表現力の育成』ミルネヴァ書房

◇選定理由(抜粋

200年近く論述試験を主体としてきたフランスの大学入学資格試験である
バカロレアについて、その内容や評価方法、またバカロレアに至るまでの初等中等教育を丁寧に
ひもとき、日本への示唆を提示している書籍である。中等教育段階での思考力・表現力の育成を
大学入試においてどのように評価するのか、また、大学教育ではどういう教育的課題が残されて
いるのかという問いに客観的な資料やデータに基づく科学的アプローチにより批判的に検討さ
れた成果は、日本の大学入試、また高大接続改革の観点からも大学人の参考書となりうる。


④エリザベス・F・バークレイ、 クレア・ハウエル・メジャー著、 東京大学教養教育高度化機構アクティブラーニング部門、 吉田塁監訳(2020)『学習評価ハンドブック : アクティブラーニングを促す50の技法』東京大学出版会

◇選定理由(抜粋

本書は、Finkが提唱した「意義ある学習分類」に基づいて、50の学習評価
技法が、ふんだんな事例とともに、6つの領域にまとめられた翻訳書である。本書の優れている
点は、各章の内容が構造化されており、個々の学習評価技法が、概要、学習目的、実施方法、活
用例、参考文献などの項目に沿って記されていることである。これにより、読みやすく利用しや
すい構成となっている。また、目標ごとに記載された多数の評価ルーブリックの例もアクティブ
ラーニングを実践する授業担当者にとって大いに役立つ内容といえる。さらに、50の学習評価
技法それぞれに、オンラインで実施するための工夫や、教室での授業とオンライン授業の事例が
記されており、遠隔授業をサポートする視点でも有用と考えられる。一方、実際に大学の授業で
取り組む場合にややわかりにくい学習評価技法もあるが、本書は、アクティブラーニングを通し
た学習評価に関する貴重な手引き書として、その価値は高いものであると考える。



JACUEセレクション2020(2019年度認定図書)

①藤本昌代・山内麻理・野田文香編著(2019)『欧州の教育・雇用制度と若者のキャリア形成‐国境を越えた人材流動化と国際化への指針‐』白桃書房

◇選定理由(抜粋

本書は、大学生を含めた若者の雇用・就職、キャリア形成支援に関する制度・政策、および関連する学生の取組を正面にすえて、高等教育のあり方を論じたものである。本書の内容は、日本と同様に政府主導型の制度の導入が行われているとされる欧州の教育制度、雇用制度、入職後のキャリア等をめぐる動向を理解し、国ないし広域圏レベルの政策形成や制度構築についての示唆を得るとともに、日本の課題を浮き彫りにする上で貴重な資料となり得るものである。


②山田礼子(2019)『2040年 大学教育の展望‐21世紀型学習成果をベースに‐』東信堂

◇選定理由(抜粋

本書は、ここ20年の社会変革を背景とした大学教育の改革のプロセスを俯瞰的視野と具体性の双方の視点をもって丁寧に記述するとともに、知識基盤社会に向けた今後の20 年の大学の在り方について明確な方向性を提示するものである。内容は、学生の「主体的に学ぶ力」の獲得という視点をベースに、グローバル・コンピテンシー習得につながるカリキュラムや教授法の工夫、学修成果を基盤とした教学マネジメントなど多様であり、大学の執行部をはじめ多くの大学関係者に、是非手に取ってもらいたい本である。


③濱名篤(2018)『学修成果への挑戦‐地方大学からの教育改革』東信堂

◇選定理由(抜粋

本書は、近年の文教政策と絡ませながら学士課程教育における実践的な課題を網羅的に論じたものである。学士課程における学修成果を核にした教学マネジメントについて、私学経営者としての経験を踏まえて明確に述べられている。今後、高等教育研究を志す者や、大学教職員が自らの大学改革を検討する際に、近年の高等教育政策の動向を知る上で有益な書である。


④関西国際大学編(2018)『大学教学マネジメントの自律的構築‐主体的学びへの大学創造20年史‐』東信堂

◇選定理由(抜粋

本書は、関西国際大学における20 年間の先駆的な教育改革の取り組みについて4つの時期にわたって詳細にまとめられたものである。本書は、大学教育の今日的課題に対して、全学FDによる組織的な教育改革を軸としてアクティブラーニングやeポートフォリオ評価、学習支援型IRといった様々な方法を導入・推進していく過程が事細かく描かれており、FD・SD・IR・大学組織開発者にとってのリファレンスともなる一冊である。



JACUEセレクション2019(2018年度認定図書)

①後藤文彦著『主体性育成の観点からアクティブ・ラーニングを考え直す』2018年、ナカニシヤ出版

②大森昭生、成田秀夫、山本啓一、吉村充功、高見 大介著『今選ぶなら、地方小規模私立大学!〜偏差値による進路選択からの脱却〜』2018年、レゾンクリエイト

③栗田佳代子、日本教育研究イノベーションセンター編『インタラクティブ・ティーチング—アクティブ・ラーニングを促す授業づくり』2017年、河合出版

④近田政博編『研究指導』2018年、玉川大学出版部

⑤ジェラルド・ガーニー他、宮田由紀夫訳『アメリカの大学スポーツ—腐敗の構図と改革への道』2018年、玉川大学出版部


JACUEセレクション2018(2017年度認定図書)

①金沢工業大学・科学技術応用倫理研究所編『本質から考え行動する科学技術者倫理』2017年、白桃書房

②井下千以子著『思考を鍛える大学の学び入門-論理的な考え方、書き方からキャリアデザインまで-』2017年、慶応義塾大学出版株式会社

③全国大学生活協同組合連合会教職員委員会監修、玉真之介著『大学教育と読書-大学生協からの問題喚起-』2017年、大学教育出版

④佐藤浩章、中井俊樹、小島佐恵子、城間祥子、杉谷祐美子著『大学のFD Q&A』2016年、玉川大学出版部

⑤関東地区IR研究会監修、松田岳士、森雅生、相生芳晴、姉川恭子編『大学IRスタンダード指標集 ―教育質保証から財務まで―』2017年、玉川大学出版部


JACUEセレクション2017(2016年度認定図書)

①寺崎昌男編著『21世紀の大学:職員の希望とリテラシー』東信堂

②小笠原正明・安藤厚・細川敏幸編著『北大教養教育のすべて-エクセレンスの共有をめざして』東信堂

③中島英博、榊原暢久、小林忠資、稲垣忠『シリーズ大学教授法1 授業設計』玉川大学出版部